綾瀬はるか×高橋一生の「天国と地獄~サイコな二人~」のモチーフになった物語をご存じですか?奄美諸島の喜界島に伝わる、「月と太陽」という短い昔話なんです。
どんな内容なのか、さっそくお届けしていきます。
「月と太陽」原文はとっても短い昔話
「月と太陽」は鹿児島県喜界島昔話集のうちの一篇
昼の太陽は、本当は夜の月であるべきで、夜の月は昼の太陽であるべきだった。
というのは、有ったる夜(或る夜)二人寝ていて、今夜誰かの腹の上にシヤカナローの花が咲いたら、咲いた者が昼の太陽になり、咲かなかった者は夜の月になる事にしようと約定した。処がシヤカナローは月の腹に咲いた。
それを見た太陽は、自分が昼の太陽になりたいものだから、こっそり自分の腹に植え替えてしまった。
だから、太陽は昼に、月は夜に出る事になったのである。それで太陽はあらぬ事をしたからまともに見られないが、月はいくらでもまともに見られるという事である。
鹿児島県喜界島昔話集より
以上、全部で258文字の短いお話です。
テレビ・雑誌のない時代の子どもたちはお年寄りから昔話を聞くのが楽しみだったようで、「月と太陽」は喜界島に伝わるたくさんの昔話のうちの一つなんです。
「月と太陽」の内容解説
本当は、真昼の太陽が夜の月であるべきで、反対に、夜の月は、真昼の太陽であるべきだった。
ある夜のこと、太陽と月は二人で約束をしていたのです。
今夜、どちらかのお腹の上に、もしもシヤカナローの花が咲いたら、咲いた方が昼の太陽になり、咲かなかった方が夜の月になることにしようと、話していたそうです。するとなんとシヤカナローの花が、月のお腹の上に咲いたのでした。
それを見てしまった太陽は、月が寝ている間にこっそりと、自分のお腹に花を植え替えてしまったそうです。そうして太陽は昼に、月は夜に出ることになりました。
しかし太陽は、悪いことをして太陽になったため、誰も見ることができない姿になってしまいました。そして月はいつでも、誰もが見ていられる美しい姿をしているのです。
「月と太陽」意訳@ろぐらんど
意訳してみましたがいかがでしょうか。
本来は月になるはずだった太陽が太陽となり、太陽になるはずだった月が月になったというお話です。
悪いことをしたせいで、誰からも見てもらえないほど眩しい姿になってしまった、というのがおしゃれだなと思いました。「太陽を直視したら目が潰れるからダメ」って、小さい頃に言われたことを思い出します。
シヤカナローの花ってどんな花?
お話に出てくるシヤカナローの花について調べたのですが、どうやら架空の花のようです。気になりますね~。
老人から「月と太陽」の昔話を聞かされていた子供たちも、「シヤカナローの花ってどんな花なの?」って質問してたかもしれないですね。想像して遊んだりもしたかもしれません。
「天国と地獄」第3話で、「シヤカナローの花を手に入れれば元に戻れるのではないか?」と考えた彩子が奄美大島を訪れました。現地の人にシヤカナローの花について尋ねるも、「シヤカナローなんて聞いたことない」と言われてしまいます。
奄美諸島には固有植物も色々と存在しているようなので、固有植物から連想した伝説の花のような存在かもしれないですね。
綾瀬はるかは月?それとも太陽?
「月と太陽」の伝説を、「天国と地獄~サイコな二人~」に当てはめると...
- 望月彩子(綾瀬はるか)→ 本来は太陽になるはずだった月
- 日高陽斗(高橋一生)→ 月になるはずだったが、不正をして太陽になった
となります。
「月と太陽」の伝説では、月の美しい姿を示して終わっているので、彩子も最終的には陽斗を逮捕できるのではないでしょうか?そして陽斗は、皆が見ることができない姿になってしまう...?
しかし名前ではなくキャラクターに当てはめてみると、
- 望月彩子(綾瀬はるか)→ 正義感を持って捜査に当たる太陽のような刑事
- 日高陽斗(高橋一生)→ 犯罪者という裏の顔を持つ陰のような月
となります。
そうすると、本来は日高が刑事として活躍するはずで、彩子は犯罪者だった、ということになります。実は彩子は過去に犯罪を犯していて、不正をして太陽になったのは彩子の方だったのかもしれません。
長い連続ドラマが、どんな展開を見せていくのか予想するのは難しいですが、楽しみですね。
まとめ
今回は「月と太陽」について紹介しました。こちらをモチーフにしたオリジナルドラマ「天国と地獄~サイコな二人~」がどんな話になっていくのか、期待が膨らみます!