仕事の潤滑油|職場の教養
仕事の潤滑油
職場は仕事をする場であり、与えられた業務に真剣に取り組むことは言うまでもありません。
しかし、明るさを失うと仕事が回らなくなることがあります。
Tさんの上司はよく冗談を言う人ですが、Tさんはこの上司の振る舞いを快く思っていませんでした。
むしろ、その態度を不真面目だと感じていたのです。
ところが、ある日、その印象が一変しました。
Tさんが仕事でミスをした時、上司の機転の利いた一言で周囲が笑いに包まれ、場が和んだのです。
周囲の険悪な空気が一変したことで救われたTさんは、自分自身が生真面目過ぎたことを反省し、明るさや笑いの大切さを痛感したといいます。
ジョークや洒落、ユーモア等、明るく朗らかな「おかしみ」は、周囲を和ませたり、場の空気を温めたりして、人の心を結びつける力があるようです。
笑いが溢れる話し合いには創造的な意見も出やすく、真剣な中にも楽しい空気が漂う職場では仕事もスムーズに進むのではないでしょうか。
明るい職場の雰囲気の中から思わぬ仕事の成果が生まれるのかもしれません。今日の心がけ◆明るく朗らかに働きましょう
職場の教養 2025年1月号
感想例①
私も先日、予算の会議で固まってしまった雰囲気が、誰かの「まるで修学旅行の班会議みたいですね」という一言で、パッと明るくなった経験があります。
この文章の主人公Tさんの「あ、自分って堅すぎたかも」という気づきのシーンは、まさに私の経験と重なって、グッときました。
ミスをした部下にサラッと助け船を出す上司の姿に、相手への深い思いやりと、マネジメントスキルの高さを感じました。
仕事って真面目に取り組むのは大切だけど、クスッと笑える空気があるのが良い職場なんだなと思います。
明日から私も、ちょっとずつでも職場に笑顔を増やしていけたらいいな、と思いました。
感想例②
性格や価値観は人それぞれなので、Tさんのように冗談を不快に感じる社員もいるはずです。
むしろ、笑いを強要する空気になってしまうと、逆に息苦しくなると思います。
上司がユーモアを交えるのと、部下が冗談を言うのでは、周囲の受け止め方が全く異なると思いますし。
仕事の結果を出せていれば、真面目一筋でも何ら問題ないはずですし、TPOも大切ですよね。
笑いの効果は理解できますが、どこまでが適度な冗談で、どこからが度を超えているのかが難しいです。
その境界線を心得て、うまく笑いを取り入れるには、かなりの技術が必要ではないかなと思います。
感想例③
Tさんのピンチを救った上司の一言は、愛情表現の一つだったのではないかと思います。
いつも明るく冗談を飛ばしている人って、実は誰よりも周りのことを見ている…なんてことが、よくありますよね。
うちの祖父が社長をやっていた会社では「笑顔の絶えない職場に倒産なし」が合言葉だったそうです。
実際、バブル崩壊後の困難な時期も、社員全員で明るく乗り越えてきたと聞いています。
職場の笑い声って、その会社が健全かどうか、うまく回っているかどうかのバロメーターみたいなものかもしれませんね。
職場の「笑い」について考えることは、実は経営そのものに繋がっているのかもしれないと思います。