職場の教養|和製漢字
私たちが日々当たり前のように使っている漢字ですが、その総数は辞書や辞典によって異なり、明確な数字は不明ですが五万から六万と言われています。
中国で発祥した漢字は、四世紀から五世紀頃に日本に伝えられたとされていますが、日本で作られた漢字も多くあり、それを和製漢字(国字)といいます。
例えば、「鱩(はたはた)」は、晩秋から初冬にかけて雷が多く鳴る季節に海岸へやってくることから、魚偏(うおへん)に雷(かみなり)と書くようになりました。
また、「鰆(さわら)」は春に産卵のため外海から内海に入り込み、春に漁期を迎えることから「春を告げる魚」が字源となり、魚偏に春と書きます。
これ以外にも、魚偏の和製漢字には「鯳(すけとうだら)」や「鰤(ぶり)」など四十以上あります。
難しく読みづらい漢字もありますが、その一つひとつに意味があり、先人たちが作ってくれたおかげで今に至ります。
普段何気なく目にしている漢字ですが、知れば知るほど奥が深く風情があります。
まずは名前や地名の漢字の由来を調べてみてはいかがでしょうか。
今日の心がけ◆身近な漢字に目を向けてみましょう
職場の教養 2025年1月号
感想例①
漢字の成り立ちを知ることで、日本語の豊かさを改めて実感しました。
「はたはた」の漢字に雷が使われているのを知り、季節の移ろいと魚の習性を結びつけた発想に感心させられます。
魚の生態をよく観察し、その特徴を漢字に取り入れる繊細さに、日本人特有の自然への眼差しを感じます。
普段何気なく使っている漢字も、一つ一つにストーリーがあるんだなと、新鮮な気持ちで見直すきっかけになりました。
地域の特産品や郷土料理の漢字を調べてみると、もっと面白い発見があるかもしれないと、わくわくしています。
この学びを活かして、寿司屋のメニューを見るときも、漢字の成り立ちに思いを巡らせてみようと思います。
感想例②
和製漢字の数の多さに驚きましたが、現代ではほとんど使われない漢字も多く、継承の難しさを感じます。
パソコンやスマートフォンの普及で、複雑な漢字を手書きする機会が減り、このままでは知識が失われていくのではと危惧します。
魚偏の漢字だけでも40以上あると聞くと、覚えるのはなかなかしんどいですね。
漢字の由来を知ることは素晴らしいですが、実用性との折り合いをどうつけていくかが課題だと思います。
文化の保存と現代のニーズのバランスを取るのは、本当に難しい問題だと感じました。
特に若い世代にとって、難しい漢字を覚える意義を見出すのが難しくなっているのではないでしょうか。
感想例③
この記事を読んで、祖父の背中を思い出しました。
小学生の頃、祖父は魚釣りに連れて行ってくれながら、獲れた魚の名前を教えてくれたものです。
その時は「むずかしい漢字ばかり」と思っていましたが、今読むと、それぞれの魚の特徴や習性が漢字に込められていることが分かります。
祖父は魚の漢字を通じて、自然の営みや日本の食文化を伝えようとしていたのかもしれません。
今度実家に帰ったら、祖父と一緒に魚の漢字について話してみようと思います。
漢字を通じて、日本の豊かな食文化や自然との関わりを、次の世代に伝えていけたらいいですね。