職場の教養|今できること
諺(ことわざ)に「思い立ったが吉日」とあるように、仕事に限らず何事においても、何かを始めようと思った時にスタートすることが肝要です。
しかし、実際には先延ばしにしたり、過去の失敗にとらわれて取り掛かるのが難しいこともあるでしょう。
国際日本文化研究センター教授の磯田道史(いそだ・みちふみ)氏の著書『無私(むし)の日本人』には、江戸時代後期の庶民である穀田屋十三郎(こくだや・じゅうざぶろう)の話が収められています。
当時、仙台藩吉岡宿(よしおかじゅく)は年貢が重く、夜逃げが相次ぎ町は寂れていきました。
町を立て直すため、十三郎は私財や命さえも捨てる覚悟を持って挑んだのです。
しかし、度重なる苦難により追い込まれます。
それでも十三郎は逃げずに「今」できることを実行し、やがて前代未聞の金融事業を成功させたのです。
ベストと思って実行したことでも、上手くいかないことがあります。
その時は、反省することも大事ですが、「今、何ができるのか」と考えることが大切です。
私たちも決意と覚悟を固めてスタートを切れば、できないことはないでしょう。
目標に向かって一歩一歩前進していきましょう。
今日の心がけ◆新しいことに挑戦しましょう
職場の教養 2025年1月号
感想例①
この穀田屋十三郎さんの話、今の私たちにもすごく響きますよね。
コロナ禍やデジタル化の波で、変革を迫られていますが、できない理由を探してばかりでした。
でも、「今できること」って意外とあるんですよね。
例えば、私は先週から部署のコミュニケーション改善のために朝の雑談タイムを始めてみました。
小さな一歩かもしれませんが、これも十三郎さんの精神に通じるのかなと思います。
私財も命も捨てる覚悟までは必要ありませんが(笑)、まずは一歩を踏み出す勇気は持ちたいですね。
感想例②
「思い立ったが吉日」って、ちょっと無責任な言い方に聞こえませんか?
特にビジネスの世界では、準備不足での起業や投資が失敗するケースをよく見てきました。
この十三郎さんの話も、成功した人だけを美化しているような気がします。
同じように挑戦して失敗した人たちの声は、どこにも残っていないわけですよね。
「今できること」って、時には「今はやらないこと」という選択肢も含むんじゃないかな。
感想例③
「今できること」を探すのって、実はワクワクする宝探しみたいなものですよね。
例えば、うちの猫は「今」お腹が空いたら「今」ニャーニャー言うだけなんです(笑)。
人間って「昨日の失敗」や「明日への不安」にとらわれすぎて、「今」を見失いがちです。
でも、スマホの画面を見るように、自分の「今」をチェックする習慣があったら面白そう。
「今できること」探しアプリがあったら、けっこうヒットするかもしれませんね!
例えば、位置情報と連動して「今この場所でできること」を提案してくれたり。