職場の教養|新境地
本日は囲碁の日です。
囲碁の発祥は約四千年前の中国とされていますが、インドやチベットという説もあります。
古くから中国では、君子の嗜みとして「琴棋書画(きんきしょが)」を幼い頃から習わせる風習がありました。
琴は「音楽」、棋は「囲碁」、書は「書道」、画は「絵画」を指し、立派な人物になるために必要なものの一つに囲碁があったようです。
日本への伝来は、奈良時代に遣唐使が持ち帰ったという説があります。
また、一九九〇年には株式会社ぐるなびの創業者である滝久雄(たき・ひさお)氏が、より多くの人に囲碁を親しんでもらうため、二対二で対局する「ペア碁」を創案しました。
ペア碁は原則として男女でペアを組み交互に碁を打ちますが、味方同士の相談は禁止されています。
現在、世界七十五カ国で開催され、広がりを見せています。
長い歴史があり、ルールが厳然(げんぜん)と定まっているものはそれを変えてはならない風潮がありますが、柔軟な発想によって新境地を切り開くことができるものです。
まずは新たな視点で物事を見つめてみましょう。
今日の心がけ◆物事を柔軟に考えましょう
職場の教養 2025年1月号
感想例①
囲碁の4000年という歴史の深さに、まず圧倒されました。
「琴棋書画」という教養の考え方は、今の時代にも新鮮な響きがありますね。
私も子どもに、ゲームだけでなく、このような総合的な才能を伸ばす機会を与えたいと思いました。
特にペア碁の発想は素晴らしく、伝統と革新が見事に調和していると感じます。
こうした柔軟な発想で、古いものを現代に活かせる可能性を教えられました。
感想例②
「君子の嗜み」という考え方は、現代では少しエリート主義的に聞こえます。
囲碁のような伝統文化は、敷居が高すぎて若い世代が近づきにくいのではないでしょうか。
ペア碁も男女という固定的な枠組みにとらわれず、より自由な組み合わせがあってもいいかもしれません。
また、囲碁のルールが「厳然」というのも、新規参入者への障壁となっている可能性があります。
伝統を守ることと、新しい変化を受け入れることの難しいバランスを感じます。
感想例③
この文章を読んで、意外にも現代のSNSコミュニケーションとの類似性を感じました。
相談禁止のペア碁は、まるでオンラインゲームの野良マッチのようですよね。
そう考えると、囲碁って最古のソーシャルネットワークだったのかもしれません。
碁盤の目の交差点は、人と人とのつながりを表しているようにも見えてきました。
実は囲碁は単なる勝負事ではなく、コミュニケーションツールとして再評価できるかもしれませんね。