産業の米|職場の教養
産業の米
「産業の米」とは、日本の経済用語の一つです。
米は私たちが生きる上で欠かすことのできないものであることから、幅広い分野で利用され、産業全体の基盤となる、生活に必要不可欠なものを指します。
鉄はかつて、産業の米と呼ばれました。
自動車産業や建設業など多くの分野で用いられ、戦後の高度経済成長を支えたためです。
その後、一九七〇年代後半からは半導体がそれを担い、最近では人工知能やデータサイエンスが次なる産業の米になるのではないかと考えられています。
このように産業の米は時代とともに変化してきました。
「不易流行(ふえきりゅうこう)」と言われるように、創業者の思いや企業の存在意義など、いつまでも変わらないもの(不易)があり、事業内容や戦略など時代に応じて変化させる必要があるもの(流行)があります。
社会の変化や技術発展が目覚ましく、企業をとりまく環境が大きく変動する現代、変えてはいけないもの、変えるべきものを見定める力を養いたいものです。今日の心がけ◆時代の変化に対応しましょう
職場の教養 2025年1月号
感想例①
時代の流れに合わせて柔軟に変化することって、すごく大事だなって実感しました。
特に面白かったのが、「産業の米」が鉄から半導体、そしてAIへとどんどん変わっていく流れです。
うちの会社でも、今までのやり方を見直すことが増えてきてるんですが、この「不易流行」の考え方は本当に使えそうだなと思いました。
たとえば、お客様第一という思いは譲らずに、サービスの提供方法はデジタル化するとか、すぐに実践できそうです。
世の中の変化にしっかり対応しながら、大切な価値観は守り抜く―このバランス感覚を、毎日の仕事に活かしていきたいなと思います。
感想例②
この文章を読んで、ちょっと心配になったことがあるんです。
それは、あまりにも目先の変化を追いすぎて、企業が疲弊してしまうんじゃないかということです。
だって、「次の産業の米はAIだ!」って言われると、どの企業もそっちに走らなきゃいけない気がしちゃいますよね。
でも、うちの会社が得意なのは人と人とのつながりかもしれないし、職人技の継承かもしれない。
流行を追いかけるのも大事ですが、自分たちの本当の強みを見失うことの方が怖いんじゃないかって思います。
感想例③
先日、子どもの将棋教室を見学したときのことを思い出しました。
将棋では、駒の動かし方は昔から変わりませんが、AIの登場によって昔とは違う新しい戦い方が次々と生まれているんです。
でも面白いことに、基礎練習の「詰将棋」の重要性は今も変わらないんです。
「相手の動きを読む」「一手一手を大切にする」という基本の考え方は、何十年たっても変わってないんですよね。
企業も同じで、時代とともにビジネスのやり方は変わっても、基本となる「先を読む力」は普遍的なのかもしれません。
将棋を通じて、「変わる部分」と「変わらない部分」の関係が改めて面白く感じられました。