令和5年10月1日から、消費税の仕入税額控除の方式としてインボイス制度が開始されました。
インボイス(適格請求書)を発行できるのは、「適格請求書発行事業者」に限られ、この「適格請求書発行事業者」になるためには、登録申請書を提出し、登録を受ける必要があります。
申請を出した方も増えていると思いますが、なかなか登録通知が届かないケースも増えているようです。
さらに、状況確認のためインボイス登録センターに電話をかけても繋がらない…!
状況が見えないと焦ってしまいますよね。
今回は、インボイス登録センターに電話が繋がらず、登録通知も届かないため番号が分からない場合はどうしたらよいのかについてまとめました。
インボイス登録センターの電話がつながらないときはどうする?
結論から申し上げますと、どうしても問い合わせたいことがあるなら、ひたすら電話するしかないです。
登録申請後の問合せ窓口(インボイス登録センター)は、都道府県によって異なります。
大きく地方ごとに分かれており、それぞれ電話番号が設置されています。
まずは下記の国税庁ホームページから、該当するインボイス登録センターの電話番号をしっかり確認しましょう。
【待つ】登録通知が届くまでの目安は約1か月
2023年11月現在、申請を出してから登録完了通知が届くまでの標準的な期間は下記の通りです。
- e-Tax提出の場合 提出から 約1か月
- 書面提出の場合 提出から 約1か月
なかなか登録通知が届かなくても、1か月は待ちましょう!
(ちなみに、筆者は申請から登録完了まで3か月以上かかりました…ご参考まで)
【調べる】通知が届かなくても登録完了していることがある
登録完了から登録通知が届くまでの間には、タイムラグが発生することがあります。
法人の場合は、13桁の法人番号を下記の公表サイトに入力することで、登録が完了しているかどうかを確認することができます。
登録が完了していたら、まもなく登録通知も届くものと思われますので、気長に待ちましょう。
※番号以外での検索ができないため、この方法で確認できるのは法人のみです。
かけてもかけても繋がらない!
筆者は、申請から2ヶ月以上経過しても登録通知が届かないため、状況を確認しようと「インボイス登録センター」に電話しました。
(神奈川県なので、電話したのは「東京国税局インボイス登録センター」です)
仕事の合間を縫って1日に5~6回かけたものの、全くつながらないまま1週間が経過しました。
税務署に電話してみた
埒が明かないため、管轄の税務署にどうすれば良いか聞いてみることに。
すると、なんと「東京国税局インボイス登録センター」の電話番号を案内されたのです…!
そこに繋がらなくて困っているのだと伝えたところ、
「インボイスの登録状況については税務署では分からないため、インボイス登録センターに電話してくれ」と言われるのみでした。
ちなみに、チャットやメールでの問い合わせはやってないそうです。
すなわち、どうしても問い合わせたいことがあるなら、ひたすら電話をかけ続けるしかないとのことです。
無理~!
(なお、申請から3か月以上経ってようやく登録されました…相当混みあっているのかもしれません)
登録申請前の問合せ先は「インボイスコールセンター」
ちなみに、申請前の問合せやインボイス制度に関する一般的な相談等については「登録センター」ではなく下記の「インボイスコールセンター(電話相談センター)」で受け付けています。
こちらは地方ごとではなく、全国統一の問合せ窓口です。
登録通知が届かないときはどうしたら良い?
インボイス登録センターは当然のように電話が繋がらず、登録通知が届かないため番号も分からない。
そんなときはどうしたら良いのでしょうか。
結論としては「登録番号以外を記載した請求書を発行して、取引先には後から登録番号を通知する」です!
国税庁は下記のページで対応方法を発表していますので、詳しく見て行きましょう。
令和5年10月1日までに登録番号が通知されない場合の売手の対応及びその場合における買手の仕入税額控除について
こちらで対応策として説明されているのは、次の3つの方法です。
- 事前にインボイスの交付が遅れる旨を先方に伝え、登録番号の通知を受け取った後に取引先にインボイスを交付する
- 通知を受けるまでは登録番号のない請求書等を交付し、登録番号の通知を受け取った後に改めて取引先にインボイスを交付し直す
- 一旦登録番号以外の必要な項目を記載した請求書等を取引先に渡しておき、登録番号の通知を受け取った後にすでに交付した請求書等との関連性を明らかにした上で、登録番号を書類やメール等で連絡する
登録番号以外を記載した請求書を発行して、後から登録番号を通知する
①と②は請求書の発行を遅らせたり、後から再発行する方法です。
前述した通り、このなかでおすすめは③の方法で、
「登録番号の通知が届くまでの間は、インボイスとして必要な記載項目のうち登録番号以外を記載した請求書等を発行する」方法です。
そして登録番号が手元に届いたら、取引先に周知するための書類を作成し、登録番号の連絡をします。
なおこの方法については
「すでに交付した請求書等との関連性を明らかにした上で」
と指定されています。
そのため、取引先に登録番号を周知する書類と、発行済みの請求書とが紐づいていることが分かるように留意しましょう。
まとめ
インボイス登録センターの電話がつながらず、登録通知が届かなくても焦ることはありません。
国税庁が発表している対応方法に従って、淡々と請求書を発行しましょう。
そして登録番号が手元に届いたら、忘れずに取引先に周知しましょう。